看護師がよく使う医療用語について

看護師さんがよく使う医療用語9選

1.プシコ

プシコとは、ちょっと訴えや行動がおかしい患者さんのことを言います。
プシコロギーの略で、精神科の患者さんを意味するのですが、もちろん精神科以外でも頻繁によく使用されています。
むしろ、精神科以外のほうが圧倒的に多く使われているかもしれません。
一般病棟で、ちょっと行動がおかしくなっていたり、明らかに訴えがおかしい患者さんがいると、看護師の間で「あの患者さん、どう見てもプシコでしょ」などと話していたりします。
差別的な発言で印象としてはあまり良くないのですが、申し送りでも「既往にプシコがある」という感じで、真面目に使用している人もいるくらい広く知れ渡っています。
先輩がプシコをよく使うので、それが後輩に伝染し、簡単に出てくる医療用語になってしまっているような感じです。

2.ステる

緩和ケアやホスピスなど、末期状態の患者さんが多い病棟では特によく用いられている用語です。
亡くなりそう、亡くなったときに、ステる、ステったといった表現で申し送りやコミュニケーションをはかっています。
あまり、ダイレクトに死という表現を用いたくない、用いづらいという背景もあってか、オブラートに包むことを目的としても使われています。
これも、「死亡」を意味するステルベンというドイツ語が由来となっているのですが、本当の意味を理解して話している看護師は少ないと思います。

そのくらい共通言語として一般的に利用されています。

 

3.アポる

脳梗塞の患者さんのことを指す用語です。
これもステるという医療用語に似た表現ですが、脳梗塞を起こした患者さん、起こしている患者さんには、アポる、アポったといった言葉を使っています。
これもドイツ語で脳梗塞を指すアポプレキシーという言葉を略したものです。
ドイツ語由来の用語が多いのは、医師がドイツ語で記録に残したり話したりしているので、その影響で看護師同士も話すようになっている、という理由が大きいと思われます。

4.ルート

点滴の意味を持つ医療用語です。
一般科なら、ほとんどの看護師が点滴を扱うと思います。
点滴に関する状況を伝える申し送りもよくありますが、毎回毎回、点滴が・・という表現を用いることは少ないです。
そもそも、点滴という表現は患者さんなど一般の人、医療関係者以外にわかりやすく伝えるときに使い、看護師同士では、「ルート」と呼ぶことが多いです。
高度な医療用語という訳ではありませんが、どちらかというと略語のような役割で使用しているイメージです。
ルートが絡まっている、ルートが多い、ルートが抜けたとか、そんな申し送りをしていたら、点滴のトラブルだなって思えばいいでしょう。

5.ENT

かなり仕様頻度の多い医療用語としては、退院にまつわるものでしょうか。
ENTは退院を表す略語です。
急性期病院だと平均在院日数が10日以下のところが多く、短期入院が多いのも特徴です。
そんな病院だと退院も非常に多いので退院という言葉を使用する機会も多くなるのですが、意外と看護師は退院という言葉を使いません。
退院をENT(エント)と呼んでいるからです。
記録を書くときに、退院と漢字で書くよりもアルファベットでENTと書いたほうが早いというのもありますし、医師がよく使用しているという理由も背景にあるようです。
こちらもドイツ語で退院を意味するEntlassenから来ている略語です。
ちなみに記録の際は「ENT」とアルファベットを利用することがほとんどで、カタカナでエントと記載することはほとんどありません。

6.タキる

脈が速くなることです。
呼吸器や循環器、消化器などを扱う一般科、特に急性期の病院だと患者さんの状態観察をするために心電図モニターを装着していることがあります。
心電図モニターは患者さんのベッドサイドに置かれており、それがナースステーションへと通信されていますが、よくあるのが患者さんの波形に対する看護師の言葉。
ナースステーションで波形の変化を見て、脈が早くなっていたりすると「タキってる」と言っています。
頻脈を意味するタキ・カルディアという医療用語から来ています。

7.エデマ

浮種を意味する用語です。
患者さんは心不全や腎不全、低アルブミン血症などから、概して浮腫をきたします。
寝たきりの患者さんでは沈下性に浮腫を起こすこともあり、浮腫の観察は看護師にとって必須事項といってもいいくらいです。
浮腫の代表的な治療としては、ラシックスなどの利尿剤を用いること。
そんな浮腫の患者さんの話をするときに、よく用いられる医療用語がエデマです。
「エデマは改善してきています」「エデマ増強」といった言葉がよく飛び交っています。
人によっては、エデーマと伸ばす方もいますが、どちらでも通用するようです。

8.カルチ、ツモール、メタ

癌を意味する医療用語です。
癌をカルチ、腫瘍をツモール、転移はメタと表現されます。
「癌」というと一般的にどうしても悪いイメージがつきまといますよね。
特に消化器病棟では癌の患者さんが多く、患者さんの前で看護師同士で話しているとき、あるいは他職種の方と情報交換しているときなどに、大きな声で癌と言ってしまうと個人情報的にも気分的にも良くありません。
よって、癌の場合はカルチ、腫瘍の場合はツモール、転移はメタと少し覆い隠すように表現することがあります。
医療用語は一般的にわかりにくい部分があるので、そういう利点を活かすために用いることもあります。

9.アナムネ

病歴や家族背景など、患者さんの情報のことを指します。
患者さんが入院したきた際、担当看護師はまず現病歴や既往歴、家族背景、アレルギーなどの情報を患者さんから聞いて、カルテに記入します。
この情報が今後の治療をしていく上で大切になるのでとても大事な仕事なのですが、時間がかかるのが難点でもあります。
特に高齢の患者さんだと耳が遠かったり、認知障害があったりとなかなか聴取するのも大変です。
「アナムネもうとれた?」「まだです。時間かかりそうです」なんて会話もよく見られます。


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